パーソナリティー障害の患者さんの対応は難しい。
- 2010/09/29 18:34
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現在精神科外来で勤務しています。
統合失調症などのいわゆる精神病の患者さんも多いのですが、それ以上にパーソナリティー障害の分類に入る患者さんがたくさん来ます。
勤務先は単科の精神科ではなく大学病院の中の精神科で、受診への敷居が低く、余計にそういう患者さんが集中しているからかもしれません。
大学病院の特性上医師の異動は年に何度かあり、そのたびに患者さんには申し訳ないけれど、担当医の変更が起こります。
特に担当医に陽性感情をいだいていた患者さんほど「前の先生はよかった。今の先生はいまいちだ。誰か私に合う先生に変えてください」と看護師に言います。
パーソナリティー障害の患者さんは相手をみて振り回す傾向にあるので、きっちりルールを決めて統一した対応が必要です。
私の勤務先では、担当医変更はやむを得ない事情がない限り患者側の都合では行わないことがルールとなっています。やむを得ない事情というのは、複数の科を受診していて、変更せざるを得ないとか、身体疾患の都合上特定の曜日しか来れないとか、仕事上曜日変更をせざるを得ないなどです。
担当医師で定期受診をし、治療の継続性を高めることは必要ですし、仮に患者の意向で毎回担当医変更をしていれば、治療の一貫性がなくなりますし、特定の医師に患者が集中するおそれもあります。
以上のようなことを含め、患者さんに看護師では担当医変更は行わないことを説明し、現担当医に直接変更希望を話して相談するよう伝えますが、「言い難いことを言えたら精神科なんか来ない。それを察して変更してくれるのが看護師じゃないのか」ということをよく言われます。
患者さんの言い分も最もですが、精神科だからこそ言い難いこともきちんと医師に言って欲しいと私は思います。
対人関係が苦手と感じる患者が多いのも精神科だからこそですし、精神科だからこそ、他では言い難いことを言えるようになるための練習の場ともとらえて欲しいと私は思います。
このような説明をよく患者さんに行い、納得していただけることも多いですが、時に「ひとでなし」と言われてしまうこともあります。
反応をみて毎回「次はこう言ってみよう、これは言わないでおこう」と考えずにはいられません。
長くなりましたが、パーソナリティー障害の患者さんへの対応は毎回試行錯誤の繰り返しです。

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