初めての急変
- 2013/05/21 23:00
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看護学生です。
私が受け持たせていただいた患者様は、現疾患が落ち着き退院に向けて健康管理の指導を行い退院の予定となっていました。ADLは自立され、退院後の生活について少しずつ具体的となり、明るい見通しが立っていました。
週が明けて病棟に行くと、患者様がまったく予想されていなかった別の疾患を発症されプレショック状態となっていました。半日のうちにみるみるうちにショックに陥り、心肺停止し、ついには亡くなられました。
私は、数秒のうちに目の前で患者様のレベルが落ち、生命兆候が失われていく状況にただただ動揺し、立ち尽くすしかありませんでした。急変とはこう言うことなのかと思いました。
懸命に患者様を救おうと処置を施す医療者と、何度も心肺停止に陥りながら強く生きようと生命兆候を取り戻される患者様の命の強さを目の当たりにしました。
命とはなんと尊いものなのだろうと・・・
患者様のいのちを救うため「最大限を尽くす」ということがどういうことなのかということ、突然大切な家族の命が救えないと分かったときの患者様ご家族の精神的混乱・苦悩がどれほどのものかということ、命を救うための看護から残される家族がお別れをする事のできる看護へ変わりゆく過程。
今更何をと言われてしまいそうですが、人の命の脆さ、患者様の生きる強さ、最大限を尽くしても救えない命があると言うこと、ここには書き尽くせないほどのたくさんの事を感じ、考えさせられました。
きっと今回の患者様とのかかわり、この日の出来事は一生忘れないと思います。今は“学び”となったということと同じくらい、急変への怖さ、命と向き合う現場の怖さ、恐れを感じています。 “学び” “経験”としてこの患者様との日々を次に活かしていくのには少し時間がかかりそうです。
もっと注意深く患者様の観察をできたらとか、あのとき心身の苦痛を少しでも緩和できたのではないかとか、いろいろ考えてしまいます。
所詮、学生のわたしに何かできたとは思いませんが、「わたしは死ぬんだ」と一言つぶやかれた患者様の声が、忘れられません。あのとき動揺し、励ましの言葉も、患者様がご自身で死ぬかも知れないと予感されるその言葉を受け止めることすらできませんでした。一番怖いと思い不安だったのは患者様だったのに、私も恐怖と動揺のうちに、立ち尽くすしかありませんでした。
初めての急変、みなさんはどのように経験し、その出来事を心の中で整理し、次の看護に向かって行かれるのでしょうか。

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